建設業許可の要件について

建設業許可の要件

建設業の許可要件は次の5つです。

・経営業務の管理責任者が常勤でいること。
・専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること。
・財産的要件を満たしていること。
・請負契約に関して誠実性を有していること。
・欠格要件等に該当しないこと。
※建設業許可要件についてのご説明は、原則として東京都知事許可の運用を基にしております。

建設業許可の要件は、細かいルール(しかもローカルルール)がたくさんあり、また、許可取得に関わる重要な要素ですから、WEBサイトから情報はあくまで参考情報と考え、法令の規定から判断つきかねる部分は都度確認するという姿勢が大切だと考えております。

社会保険の加入については、建設業許可の要件ではありませんが、今後、建設業法の改正によって要件とされる可能性があります。

経営業務の管理責任者が常勤でいること。

法人では常勤の役員(持分会社の業務を執行する社員、株式会社若しくは有限会社の取締役、指名委員会等設置会社の執行役、これらに準ずる者 (※))のうち1人が、また、個人では本人又は支配人のうち1人が次のいずれかに該当すること。

イ 許可を受けようとする建設業(業種)に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
ロ イと同等以上の能力を有するものと認められた者
(平成29年6月26日国上建第117号「経営業務管理責任者の大臣認定要件の明確化について」参照)
① 許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者
a 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
b 6年以上経営業務を補佐した経験(事前に係員に相談してください)
② 許可を受けようとする建設業以外の建設業(業種)に関し6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
③ その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

(※)「これらに準ずる者」とは、法人格のある各種組合等の理事等をいい、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は原則として含まれませんが、業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については、含まれます。

経営業務の管理責任者の要件は、次のように整理されます。
ア.現在の立ち位置(登記されている取締役など)
イ.現在の常勤性
ウ.過去の経験(経営業務の管理責任者としての経験など)

ア.現在の立ち位置

現在の立ち位置は、基本的には「登記されている取締役」であることが必要です。
平成28年6月1日から、取締役等に準ずる地位であって許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限移譲を受けた執行役員等が追加されています。
登記されていない「執行役員等」でも経営業務の管理責任者となる道が開けています。
なお、「取締役等に準ずる地位」の制度を利用する場合、事前に許可行政庁の審査を受ける必要があります。審査には、相応の資料の提出を求められますし、認められないケースも多く発生しているようですので、事前のご相談が重要だと考えます。

イ.現在の常勤性

現在の常勤性は「住所地」「社会保険の加入」をもって確認されます。
そもそも常勤とはどういうことでしょうか。建設業の許可事務では次のように定義されています。休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事すること。まずはこれを踏まえて検討していただく必要があります。
常勤であるべき営業所から、遠く離れたところに住所がある場合、常勤だと認められません。通勤時間が1時間30分を超えるような場合であれば、別に常勤であることの資料を用意した方が良いでしょう。
社会保険の加入については、健康保険被保険者証の内容で確認されます。社会保険の事業所名が、申請会社であることが必要です。国民健康保険等で、事業所名に申請会社名が記載されていない場合には、別途、確認のための資料として、住民税特別徴収通知書や法人税確定申告書などが必要となります。2以上の事業所から給与をもらっている方が、経営業務の管理責任者になる場合、申請会社での常勤性を認められない可能性がありますので、注意が必要です。

ウ.過去の経験

経営業務の管理責任者の「過去の経験」の要件は、うえのとおりでが、ややこしいので整理します。
まず、「経営業務の管理責任者としての経験を有する」とは、建設業を営んでいる会社での取締役としての経験をもっているという意味です。
「建設業を営んでいる」とは、建設業の営業をしているということで建設業許可の有無に関係がありません(注:手続き上は大きく関係があります)。
「取締役としての経験」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあることが前提です。常勤、非常勤は問われません。
また、ア.現在の立ち位置でも触れましたが、過去の経験についても必ずしも登記されていた取締役としての経験でなくても認められるようになっています。この場合も、同様に許可行政庁の審査の上、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験が認めらる必要があります。
なお、登記されている取締役以外でも、建設業法上の手続きを経た営業所長等(令3条使用人)は、その期間は「経営業務の管理責任者としての経験を有する」とされています。
経験期間は、許可を受けようとする業種の経験であれば5年間、許可を受けようとする業種以外の業種での経験(たとえば、電気工事業の許可を申請する場合に、過去の経験が内装工事業であった場合など)は6年間必要となります。

実務上、知事許可の場合と、大臣許可の場合では、手続きに差異があり、大臣許可では認められても、知事許可では認められなかったということが起こりえます。許可要件ですので、申請をご検討の際には、事前に十分ご相談下さい。
窓口の運用によって差異が生じることは理解できるところですが、日本国憲法第14条との整合性が大変気になるところです。

専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること。

許可を受けて建設業を営もうとするすべての営業所ごとに、一定の資格・実務経験を有する専任の技術者を置くことが必要です。専任技術者の要件は一般建設業特定建設業で違いがあります。

専任技術者の要件は、次のように整理されます。
ア.資格
イ.現在の常勤性

ア.資格

資格については、国家資格など、合格証書等が交付されるものの他に、一定期間の実務経験を有する場合も専任技術者となれる資格を持つとみなされます。

【一般建設業の許可を受ける場合】
イ 学校教育法による高校指定学科卒業後5年以上、大学(高等専門学校・旧専門学校を含む。)指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
ロ 10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格を間わない。)
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者
①指定学科に関し、旧実業学校卒業程度検定に合格後5年以上又は旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上の実務経験を有する者
②一定の資格区分に該当する者
③学校教育法による専修学校指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者で専門士又は高度専門士を称するもの
④学校教育法による専修学校指定学科卒業後5年以上の実務経験を有する者
⑤その他、国上交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

【特定建設業の許可を受ける場合】
イ 一定の国家資格者等に該当する者
ロ 上のイ又はロに該当し、かつ、元請として消費税を含み4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前にあっては消費税を含み3,000万円、さらに、昭和
59年10月1日前にあっては1,500万円以上)に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
ハ 国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
※指定建設業7業種(土)(建)(電)(管)(鋼)(舗)(園)については、上記のイ又はハに該当する者であること。要するに特定建設業の許可においては、指定建設業は実務経験での技術者要件を認められません。

イ.現在の常勤性

現在の常勤性については、経営業務の管理責任者と同様の考え方です。専任技術者の場合は、経営業務の管理責任者と違い、取締役でなくてもよいことになっておりますから、法人確定申告書等が常勤性の確認資料として活用できない場合があります。

建設技術者

財産的要件を満たしていること。

請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること。

財産的基礎の要件は一般建設業特定建設業で違いがあります。

財産的要件は、次のように整理されます。

一般建設業の許可を受ける場合

次のいずれかに該当することが必要です。
ⅰ 自己資本の額が500万円以上であること。
ⅱ 500万円以上の資金を調達する能力を有すること。
ⅲ 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること。

特定建設業の許可を受ける場合

次のすべてに該当することが必要です。
ⅰ 欠損の額が資本金の額の20パーセントを超えていないこと。
ⅱ 流動比率が75パーセント以上であること。
ⅲ 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること。
※以上の要件を満たしたとしても、「倒産することが明白である場合」許可となりません。

特定建設業の財産的要件を満たしていない場合、基本的には、財産的要件を満たす決算を迎えるまで待つしかありません。ただし、資本金の要件を満たさない場合にのみ、増資による対応が可能とされています。
なお、更新申請の場合は、申請の直近の決算書をもって判断します。したがって、特定建設業の許可取得後、財産的基礎の要件を欠くことになった場合であっても直ちに許可が取り消されたり失効するものではありません

請負契約に関して誠実性を有していること。

請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者ではないこと。

これでは曖昧で、よく分かりません。
不正と不誠実は次のように定義されています。

1.不正な行為:請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為
2.不誠実な行為:工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為

また、次の場合に該当する場合もこの要件を満たさないことになります。

3.建築士法、宅地建物取引業法等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者である場合
4.暴力団(指定暴力団に限りません)の構成員である場合又は暴力団(同)による実質的な経営上の支配を受けている者である場合

国土交通省の所管する法令等に関する違反の一部は、次のサイトで確認することができます。
国土交通省ネガティブ情報等検索システム(外部リンク)
申請会社について、検索システムに該当するような場合は、この要件を詳細に確認した方が良いと思います。

欠格要件等に該当しないこと。

欠格要件は、下のとおりです。
法律によって、受けた罰の程度(?)に差がありますので留意が必要です。
たとえば「刑法等の一定の罪」の場合、罰金刑でも欠格要件に該当しますが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の罪」であれば禁錮以上の刑が欠格要件に該当します。
参考までに、刑の重さは、死刑>懲役>禁錮>罰金>拘留>科料です。

欠格要件

1.許可申請書若しくは添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。
2.法人にあってはその法人の役員等、個人にあってはその本人、その他建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長・営業所長等)が次の要件に該当しているとき。
① 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
② 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5 年を経過しない者
③ ②に該当するとして聴聞の通知を受け取った後、廃業の届出をした場合、届出から5年を経過しない者
④ 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき、あるいは請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
⑤ 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑥ 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑦ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(⑧において「暴力団員等」という)
⑧ 暴力団員等がその事業活動を支配する者

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