建設工事の請負契約について

建設工事の請負契約

建設工事の請負契約

建設工事の請負契約については、民法の規定の他に、建設業法による規制がかかります。

工事請負契約の原則

建設工事の請負契約は、注文者と請負人が対等な立場で、書面をもって行い、契約書面の交付については、原則として工事の着工前に行わなければなりません。

また、工事請負契約書に記載すべき内容は、建設業法によって定められています。

建設工事の請負契約は、次の三つのパターンで締結しなければなりません。
1.建設工事請負契約書
2.建設工事基本契約書+注文書・請書
3.建設工事基本約款+注文書・請書

原則として、変更契約についても、これらの規定が適用されますので、注意が必要です

契約書面に記載すべき事項

契約書面には建設業法で定める一定の事項(①~⑭)を記載することが必要となります。
① 工事内容
② 請負代金の額
③ 工事着手の時期及び工事完成の時期
④ 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
⑤ 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
⑥ 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
⑦ 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
⑧ 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
⑨ 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
⑩ 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
⑪ 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
⑫ 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
⑬ 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
⑭ 契約に関する紛争の解決方法

建設工事請負契約の電子契約(電磁的方法による契約)

電子契約については法律で電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものについて認められています。
この条文を受けた、建設業法施行規則は、ややこしい記載があります。また、技術的基準に適合していることが求められてます。

技術的基準の要素として、二つあげられています。
見読性の確保(規則第13条の2第2項第1号関係)
原本性の確保(規則第13条の2第2項第2号関係)

原本性の確保についてはさらに三つの要素が挙げられています。
1.公開鍵暗号方式による電子署名
2.電子的な証明書の添付
3.電磁的記録等の保存

※詳細は建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係るガイドラインをご確認下さい。

関連法令

建設業法(抜粋)

(建設工事の請負契約の原則)
第18条
建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。

(建設工事の請負契約の内容)
第19条
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
五 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
六 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
七 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
八 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
九 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
十一 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十二 工事の目的物の瑕疵かし を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十三 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
十四 契約に関する紛争の解決方法
2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

建設業法施行令(抜粋)

(建設工事の請負契約に係る情報通信の技術を利用する方法)
第5条の5 建設工事の請負契約の当事者は、法第19条第三項の規定により同項に規定する国土交通省令で定める措置(以下この条において「電磁的措置」という。)を講じようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該契約の相手方に対し、その講じる電磁的措置の種類及び内容を示し、書面又は電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるもの(次項において「電磁的方法」という。)による承諾を得なければならない。
2 前項の規定による承諾を得た建設工事の請負契約の当事者は、当該契約の相手方から書面又は電磁的方法により当該承諾を撤回する旨の申出があつたときは、法第十九条第一項又は第二項の規定による措置に代えて電磁的措置を講じてはならない。ただし、当該契約の相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。

建設業法施行規則 (抜粋)

(建設工事の請負契約に係る情報通信の技術を利用する方法)
第13条の2 法第19条第三項の国土交通省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。
一 電子情報処理組織を使用する措置のうちイ又はロに掲げるもの
イ 建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と当該契約の相手方の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する措置
ロ 建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された法第十九条第一項に掲げる事項又は請負契約の内容で同項に掲げる事項に該当するものの変更の内容(以下「契約事項等」という。)を電気通信回線を通じて当該契約の相手方の閲覧に供し、当該契約の相手方の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該契約事項等を記録する措置
二 磁気ディスク等をもつて調製するファイルに契約事項等を記録したものを交付する措置
2 前項に掲げる措置は、次に掲げる技術的基準に適合するものでなければならない。
一 当該契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること。
二 ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。

建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係るガイドライン(転載)

見読性の確保について(規則第13条の2第2項第1号関係)
情報通信の技術を利用した方法により締結された建設工事の請負契約に係る建設業法第19条第1項に掲げる事項又は請負契約の内容で同項に掲げる事項に該当するものの変更の内容(以下「契約事項等」という。)の電磁的記録そのものは見読不可能であるので、当該記録をディスプレイ、書面等に速やかかつ整然と表示できるようにシステムを整備しておくことが必要である。
また、電磁的記録の特長を活かし、関連する記録を迅速に取り出せるよう、適切な検索機能を備えておくことが望ましい。

原本性の確保について(規則第13条の2第2項第2号関係)
建設工事の請負契約は、一般的に契約金額が大きく、契約期間も長期にわたる等の特徴があり、契約当事者間の紛争を防止する観点からも、契約事項等を記録した電磁的記録の原本性確保が重要である。このため、情報通信技術を利用した方法を用いて契約を締結する場合には、以下に掲げる措置又はこれと同等の効力を有すると認められる措置を講じることにより、契約事項等の電磁的記録の原本性を確保する必要がある。

1.公開鍵暗号方式による電子署名
情報通信の技術を利用した方法により行われる契約は、当事者が対面して書面により行う契約と比べ、契約事項等が改ざんされてもその痕跡が残らないなどの問題があり、有効な対応策を講じておく必要がある。
このため、情報通信の技術を利用した方法により契約を締結しようとする場合には、契約事項等を記録した電磁的記録そのものに加え、当該記録を十分な強度を有する暗号技術により暗号化したもの及びこの暗号文を復号するために必要となる公開鍵を添付して相手方に送信する、いわゆる公開鍵暗号方式を採用する必要がある。

2.電子的な証明書の添付
1.の公開鍵暗号方式を採用した場合、添付された公開鍵が真に契約をしようとしている相手方のものであるのか、他人がその者になりすましていないかという確認を行う必要がある。
このため、1.の措置に加え、当該公開鍵が間違いなく送付した者のものであることを示す信頼される第三者機関が発行する電子的な証明書を添付して相手方に送信する必要がある。この場合の信頼される第三者機関とは、電子認証事務を取り扱う登記所、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第4条に規定する特定認証機関等が該当するものと考えられる。

3.電磁的記録等の保存
建設業を営む者が適切な経営を行っていくためには、自ら締結した請負契約の内容を適切に整理・保存して、建設工事の進行管理を行っていくことが重要であり、情報通信の技術を利用した方法により締結された契約であってもその契約事項等の電磁的記録等を適切に保存しておく必要がある。
その際、保管されている電磁的記録が改ざんされていないことを自ら証明できるシステムを整備しておく必要がある。また、必要に応じて、信頼される第三者機関において当該記録に関する記録を保管し、原本性の証明を受けられるような措置を講じておくことも有効であると考えられる。

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